腎実証その3:心臓発作〜その救急法

55歳 女性 自営業 158㎝ 48kg

【主訴】左乳房が昨日から痛む。まるで生理や授乳時のような張りと痛みを感じるが、触ってみても何もない。キューっと痛んだり、消えたり。

胸ではなくて乳房。背中は堅く張っているから肋間神経痛か、まさか心臓じゃないだろうなと思いながら検脉すると、時折脈が不整になる。これは珍しい、乳房の痛みは心臓の反射痛と推測される。

脈状

やや沈み気味で堅く、時々結脈を呈す


奇経診断

左臨泣―左後谿

心虚肺腎実証右から原穴使用

腎実を下圧瀉法・雀琢法でしっかり邪を除いた。水剋火であるから腎水の実邪が心火を抑え込んだ結果心臓発作が発生したとみられる。本治法を終了してこれでいいだろうと思ったとたん、乳房に加え左側頭部の痛みがまた発生した。


救急法

左少沢から15滴の点状刺絡、少し脈状は和らいだがまだまだである。

左少衝から15滴の点状刺絡、「痛みがスーっと抜けました!」。

治療の結果的、完全に心臓発作の症状であったことが断言できる。水をあまり飲んでいないこと、日中30度を超える暑さであったこと、毎日の飲酒に加え睡眠不足が続いていたこと、などが原因であると考えられる。

患者のコメント

氣鍼医術サイト管理人です。今回の症例の患者、実は私です。正体不明の胸(というか、まさに「おっぱい」)の痛みに、乳がんの兆しなのでは?と恐怖をおぼえて治療を求めて駆け込みました。血流が悪くなっているために心臓が酸素不足になっていた、とのこと。背中や肩の張りは常々指摘されていましたが、まさかそれがこんな症状となって現れるなんて、微塵も想像できないことでした。飲酒を嗜められることはこれまであまりなかったのですが、体重はこれ以上増やさないこと、と珍しくきっぱりと指導されました。ここ数ヶ月の飲食の不摂生を猛省です。

 

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