臨床を通して歯痛考察する

63才 男性 

 

主訴:朝から左下奥歯がしみるように痛み、歯茎も浮いてます

 

子午診断:古典理論では下歯は大腸経、上歯は胃経が主るが原則

 

この患者は左下奥歯痛だから大腸経の主りだと思い、 子午拮抗経絡右腎経の太谿に金10番鍼で補法を加えた。しかし脉は締まらない。

 

なんと右心包経太陵に金10番鍼で脉締。しみるように痛んだ下の歯本体上部は胃経の主りであり且つ実痛だったのだ。

奇経診断

左陥谷ー左後谿で脉締

心包虚肺腎実証右から

更に証で左腎実が出たということは、右腎経は虚であり子午拮抗経絡左大腸経は実であり、左歯茎も実痛の痛みであったということになる。ただし治療前の状態は「虚実間」と考える。虚でもなく実でもない、この場合実に近い状態だったと考えて良い。

 

病態とはこのようなものだ。治療して腎実を処理した瞬間、上下左右の拮抗関係は調整される。陽中に陰あり、陰中に陽ありである。そして実中に虚あり、虚中に実ありなのだ。アンバランスにバランスが取れている、それが生きた人間の証でもある。

結論

古典理論では下歯は大腸経、上歯は胃経が主るが原則。       

㋐下の歯茎は大腸経が主り、下の歯本体は胃経の主る。

㋑上の歯本体は胃経がつかさどり、上の歯茎は大腸経が主る。

追伸

標治法として任脈の承漿穴は大腸経・胃経の交会するところで、補瀉することで歯痛止めに効く。

また沢田流では手の合谷穴・背中の厥陰兪で歯痛を治すと書いているが、さて理由は何だろう。

宿題とする。

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